その溺愛、予想外につき。

しおんが一歩前に出る。

「はじめまして。月城しおん」

やわらかな笑顔。
その雰囲気に少し救われて、私はこくりと頷く。

「……よろしく」

「うん。よろしくね」

しおんはそれ以上踏み込んでこない。
その距離感がありがたかった。

次にれんが短く名乗る。

「白銀れん」

必要最低限の言葉。
でも目つきは冷たいというより、慎重に見ている感じだった。

私は小さく返す。

「よろしく」

そして最後に、あさひがにっと笑う。

「皇あさひ。俺のことはすぐ覚えてよ。たぶん一番目立つから」

その自信満々な言い方に、思わず少しだけ目を丸くする。
するとあさひはそれを見て、面白そうに笑った。

「へえ。今の顔、ちょっとかわい――」

「あさひ」

真白さんの声に、あさひは口をつぐんだ。
でも、その目は全然懲りていない。

私は一気に疲れが増した気がした。
るかだけでも振り回されているのに、さらにこんな人までいるなんて。