その溺愛、予想外につき。

「何してるんですか」

「また敬語」

「……何してんの」

言い直すと、るかは満足そうに笑った。

「迎えにきた」

「迎え?」

「そ。ひとりで緊張してそうだったから」

その言葉に、心臓がどくんと鳴る。

そんなの、見抜かれてたんだ。
うまく隠したつもりだったのに。

私は気まずさをごまかすみたいに、水をもうひと口飲んだ。
でもるかの視線はずっとこっちに向いたまま。

「……見すぎ」

ぽつりと言うと、るかはきょとんとした顔をしてから、少しだけ首をかしげた。

「だって気になるし」

「何が」

「新しい涼くん」

軽い言い方。
なのに、その声は不思議とやわらかかった。

私はそれ以上何も言えなくなる。
廊下には誰もいない。
遠くの部屋からかすかに人の話し声が聞こえるだけで、ここだけ妙に静かだ。

るかは一歩、私に近づいた。

「ねえ」

「……なに」

「鏡の前にいた時より、今の方が涼っぽい」

思わず目を瞬く。