スノードロップ

「ヤバいよっ……」


「そうだね…でも今から取りに戻っても遅刻だし…」


「…諦めるしかないのかなぁ…うぅ…」


そう呻(うめ)いて、足元に視線を追いやった私。


「桑島先生厳しいからな……どうしよぉ…」


その時、咲坂がハッとしたような顔をして、目をキラキラと輝かせた。


「さき…さか…?」


「俺さ、桑島先生と仲いいんだ。生活態度とか、他の生徒に比べてぶっちぎりでよかったおかげで」


「は、はぁ…」


「俺から言っとくよ。うまく」


「い、いいの!?」


「うん。いつも仲良くしてくれてるお礼ってことで」


「ありがとうっ!」


目をキュッと1本の線になるくらいに細めて笑いかけると、視界の端に咲坂の赤面が見えたのは、きっと気のせい―――