――――新郎新婦が歩き始め、走馬灯のように零士と再会してからの四年間の記憶が巡る。
そして扉に一番近い理央の席を通る時、二人の視線を感じて急に目頭が熱くなった。
――あぁ、良かった。
千春の微笑みを捉えた刹那、ぐっと押し上げてきた感情の昂りが堪えきれず、涙が一筋溢れたのだ。
そして肩の力が抜けてほっとする。
理央にとって、千春も零士も、どちらも大切な存在だ。
流した涙は、零士と結ばれなかった事が人生の一過程と既に処理されていた証拠だった。
拍手を打つ手に熱が籠り、理央は潤んだ瞳のまま千春と零士の華々しい晴れ姿を見送った。
それから隣のテーブルに座る年上の男を見つめる。
眩しそうに二人を見やりながら拍手を向けるのは伊佐美圭吾。
彼と理央は似た者同士。報われない恋をして、そして諦めた”選ばれなかった側”の人間だ。
そんな彼を盗み見ていると不意に視線がかち合って、伊佐美の形の良い唇が持ち上がる。
その時、ドキリ、と心臓が跳ねた。
おそらく彼に対する感情と決別するには、まだ時間がかかるのだろう。
理央にとって伊佐美は、初恋の未練を断ち切ったと同時に、失恋をした相手。
実のところ零士への想いに折り合いをつけることが出来たのは、和解よりも伊佐美のおかげだったのだ。
二年ぶりに見る、含みのある笑みから視線を逸らした理央は、胸の奥のざわめきを鎮めるように零士と千春の幸せそうな姿に視線を戻す。
思いがけない再会に『もう二度と運命なんて感じるものか』と心に刻んで。
そして扉に一番近い理央の席を通る時、二人の視線を感じて急に目頭が熱くなった。
――あぁ、良かった。
千春の微笑みを捉えた刹那、ぐっと押し上げてきた感情の昂りが堪えきれず、涙が一筋溢れたのだ。
そして肩の力が抜けてほっとする。
理央にとって、千春も零士も、どちらも大切な存在だ。
流した涙は、零士と結ばれなかった事が人生の一過程と既に処理されていた証拠だった。
拍手を打つ手に熱が籠り、理央は潤んだ瞳のまま千春と零士の華々しい晴れ姿を見送った。
それから隣のテーブルに座る年上の男を見つめる。
眩しそうに二人を見やりながら拍手を向けるのは伊佐美圭吾。
彼と理央は似た者同士。報われない恋をして、そして諦めた”選ばれなかった側”の人間だ。
そんな彼を盗み見ていると不意に視線がかち合って、伊佐美の形の良い唇が持ち上がる。
その時、ドキリ、と心臓が跳ねた。
おそらく彼に対する感情と決別するには、まだ時間がかかるのだろう。
理央にとって伊佐美は、初恋の未練を断ち切ったと同時に、失恋をした相手。
実のところ零士への想いに折り合いをつけることが出来たのは、和解よりも伊佐美のおかげだったのだ。
二年ぶりに見る、含みのある笑みから視線を逸らした理央は、胸の奥のざわめきを鎮めるように零士と千春の幸せそうな姿に視線を戻す。
思いがけない再会に『もう二度と運命なんて感じるものか』と心に刻んで。



