終わった恋の、その後で。 〜プレイボーイな曲者御曹司は私にだけ奥手らしい〜

その後、しばらくして理央の上機嫌な顔を見ることが出来た。

しかし相変わらず彼女はまだ零士を密かに想っているようで、負け犬座談会と称した二人だけの食事会は続いた。

ここまで可能性がないのなら諦めた方がいいのかもしれないが、やっと芽生えた初恋を簡単に捨てることなど出来ない。

及び腰ではあるものの、しかし誰かを特別に思える感情が自分にあったのだと思うと嬉しくなり、彼女を見守ることに甘んじていた。

――この感情は、最初で最後かもしれない。
そんな気がするのだ。

とはいえ、会社を辞めてからは流石に連絡を取ることは出来なかった。

一夜の関係なら遠慮なく詰められる距離も、彼女相手ではままならない。

邪な感情を抱きながら、先輩面することに申し訳なさを感じて、どこまでプライベートに踏み込んでいいか迷って二年。

そう、二年だ。

先に決着をつけなければならない事があると自分に言い訳しながら、二年が過ぎた。

立場が変わり、環境が変わり、変化の大きい二年だったが、しかし理央への気持ちが薄れることはなかった。

桜井達から貰った招待状を見て、もう一度連れ出してみようと決意したのは流石に零士が結婚すれば理央も諦めているだろうと期待したからだ。

式場で見つけた姿は相変わらず華やかで、ドレスアップした装いは一段と輝いていた。

それからふと、諦めてもう別の恋人が出来ていたら、と失念していた可能性が過ったのだ。

引き攣った笑みを浮かべる理央に話かける男を見つけた時は、もう勝手に身体が動いていた。

そうして外に連れ出した彼女はどこか不満気で、しかし誘えばついてきて……――やっとスタートラインに立てるかもしれないと浮足立ちつつも、恋に終止符が打たれたか確認すれば、なんととんでもない事を言い出した。

「私じゃ駄目ですか?」

これは日本語で合っているのだろうか。