終わった恋の、その後で。 〜プレイボーイな曲者御曹司は私にだけ奥手らしい〜

当時、二十四歳。社会人二年目。まさかの再会。

これを運命と呼ばずして、なんと呼べばいい。

けれども運命を感じて胸の奥が震えたのは理央の方だけだった。

再会して暫く、零士とは通勤でばったり出会しても、会議で一緒になっても、仕事以外の会話はなかった。

忙しい仕事の合間を縫って話しかけようとしても避けられる始末。

そんな不愛想な彼は、何故かほどなくして『スパダリ』などと呼ばれるようになる。

スーパーダーリン、略してスパダリ。
容姿、経済力、性格と三拍子揃った男性を指す言葉だ。

確かに東雲零士という男は、寡黙だが見た目が爽やかな高身長。

そしてグロウテックは、一部上場の有名なディベロッパーを親会社に持つ。

企業名こそ世間一般にはあまり知られていないが、二部上場もしており、誰もが知る商業施設に入る有名店舗をいくつも手掛けるほどのワンストップ対応が売りの実力派。業界内では明らかに大手の一角を担っていた。

零士はそのグロウテックの設計部で、転職後まもなく存在感を示している。

一番重要なのは性格なのだろうが、これも学生時代と変わらず独自のこだわりがあり、周りに流されることがない。

周りもそんな零士をクールな頭脳派と評価しており、人気に火が付いたようだ。

加えて社内の独身男性は一度はぐらつくというあざとい女性社員の熱烈アプローチにも余裕で耐え抜き?(気づいてなかっただけだろうが)、『これぞスパダリ!』と神格化される存在となったらしい。