おてんばお嬢の推し様!

それから少しして、学校の最寄り駅のアナウンスが流れた。
わたしたちは、その駅で電車を降りる。

駅を出て、三人で並んで歩いているとき。

「あ、あれ…ふよちゃんが好きな俳優さんじゃない?」

いつも通る、交差点の大型スクリーンを湖々が指差した。

そこには、化粧品のCMが流れていた。

わたしは足を止めてそこに釘付け。

実はわたし、この画面の中でキラキラ爽やかな笑顔の男の子の大ファンなんだ!

名前は、成瀬(いちのせ) 颯汰(そうた)くん!
超絶イケメンでかっこよすぎる、話題沸騰の実力派俳優なんだ。

デビューしたその年に新人俳優賞も受賞して、今人気急上昇中!知らない人はいない!

しかも信じられないのが、私たちと同じ高校一年生ってこと。

デビューしたのが去年の中学三年生。
わたしはデビュー作のドラマで演技に引き込まれて推すようになったの。

そして、彼の事務所を経営してるのがパパのとこの系列会社らしい。
そこにも、なんだか運命を感じちゃうんだよね……!

いつの間にかCMが終わっていて、わたしはスクリーンから目を離した。

「すっごく見入ってたね、ふよちゃん。」

「ほんっと。あれだけの集中力があるなら、勉強に使ってほしいわぁ。」

歩き始めた湖々と色羽がそう言う。

色羽におキビシイことを言われたけど、へっちゃら平気の平八郎。

今のわたしは無敵状態だ。何を言われても無傷。

タタタッと小走りで二人に並んだ。

「うんっ!だって朝から推しを拝めたんだもん!マジハッピー。今日も一日頑張れる。」