おてんばお嬢の推し様!

「いってきまーす!」

わたし、西園寺(さいおんじ) 芙蓉(ふよう)は今日も使用人に見送られてクソデカお屋敷の門をくぐった。

駅まで歩き、改札口を通っていつも通り電車を待つ。
そして、到着した電車に乗り込んだ。

……とまぁ、普通の生活に見えて、結構ツッコミどころ満載なんだよね、わたしの日常って。

まずは、お屋敷でしょ?それに使用人…クソデカな門もそうか。
普通の生活では見ないようなものばっかりだよね。

実はわたし、お嬢様なの!

パパが物凄く大きな会社の社長で、大体の日用品の会社の親会社?っていうのがパパの会社らしい!

わたしの芙蓉って名前もパパがつけてくれて、美しく清らかな女性に育ってほしいとのこと。
ま、元気が取り柄のわたしには似合わないんだけどね〜。

友達には「ふよ」とか「ふよちゃん」なんて呼ばれてる。

そこの君、じゃあなんで駅まで歩いて電車で学校に向かってるの?って思った?
それはね……小中高と、これまで全部お嬢様学校を受験してきたけど、おバカすぎて全部落ちたのだよ!ハッハッハ

……はい、笑い事じゃないですね。

わたしは、自分でも自覚があるほどの頭の悪さを持ち合わせてるんだよね。

テストの順位は下から数えた方が早いし、バカすぎて授業もちんぷんかんぷん。
友達にまで呆れられるくらいなの!

いや、わたし頑張ってるんだよ?毎日。
けど、話を聞いてるとすぐに眠くなっちゃうんだよねぇ……。

これに関してははもうしょうがないよね。うん、しょーがないしょーがない。

「…ちゃん?……よ…ん…ふよちゃ〜ん。」

わたしの名前を呼ぶ声が聞こえて、はっと顔を上げる。