天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない

「ちょっといいかな?」



いつものように、学校の最寄り駅である青葉駅の改札を通ろうとしたとき。

見知らぬ男の子に声をかけられた。

その横にも、もう一人男の子がいる。

二人とも、私が通う清和(せいわ)女子学院中学の近くにある男子校、修明(しゅうめい)中学の制服を着ている。

赤いネクタイが印象的な頭のいい学校。

声をかけてきた子の顔をじっと見る。

栗色の髪で、華やかな顔をしている。私より、かなり背が高い。

雰囲気も落ち着いているし、明らかに年上だ。

中学生になってから、お父さんや学校の先生以外の男の人とほとんど話していないから、怖い。

肩にかけていた通学バッグを胸の前に抱えて、いつでも走り出せるように準備をした。



「これ、あなただよね?」