天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない

「……」



年上らしく、がんばって褒めたのに、ぷいっと顔をそらされてしまった。



「律、そこはお礼を言うところ。俺は?」



律くんをフォローするかのように、久保田先輩が笑って空気を変えてくれる。



「水泳部も、もちろんかっこいいです」

「ありがとう」



そう言いながら、私の斜め向かいに座った久保田先輩を見た。

さっきまで会話に困っていたのに、彼が来てくれてからは、話がまわってる。

「王子」と呼ばれるのは、この見た目だけが理由ではないんじゃないかな。



「しつこく食い下がっちゃってごめんね。でも、話せる機会を作ってくれて、ありがとうございます」



改まって頭を下げられて、私はあわあわとうろたえた。