先生はキケンな許嫁。

「知佳、先に進んどくからね」


「うぅ…分かったよぉ…」


べそべそ言って着替える知佳を置いて、教室の扉を開けた。


すぐそこにある螺旋階段を駆け足で降りて、緑の芝生が広がる運動場へ出ようとした瞬間―――


――ドンッ!


「きゃ…っ」


「うぉっ…!?」


曲がり角で、自分より大きい何かに当たってしまった。


ぶ、ぶつかっちゃった……!


「ご、ごめんなさ……って、え…?」


そこに立っていたのは……


「…やっと会えた。俺の優花」


「み、碧さ……んんっ!?」


碧さんと呼ぼうとすると、急にバッと口をふさがれた。


「っ、ん…」


唇に手が触れてくすぐったい。


「学校なんだから先生呼びだろ」


唇から手が離れた。


はぁっ、と呼吸を整える。


「あ、す、すみません…」


「……バーカ」


!!??


「な……っ!」


む、ムカつく…っ!


やっぱりこの人顔だけじゃん…!


「うぅ……っ…み、碧……先生…?」


首をコトンと傾けて、言われた通りに先生と言ってみた。


……ところ。


「……っ、あー…」


目元に腕を置いて上を向いている。


……?


「み、碧せんせ…い?」


「優花のバッッッッッッッカ…」


「なななっ!!…てかぁ!先生こそ優花呼びじゃないですか!椎名さんとかにできないの!?」