好きな男の子が幽霊になって会いに来た話。

* * *

そして、翌日の夕方。

私を含む二年C組の生徒たちは、学校の近くにある葬式場を訪れて

いた。

見慣れた通学路の延長線上に、こんな場所があるなんて、

今まで気づきもなかった。

入口には、



早見 要 葬儀場



と、黒い墨で書かれた看板が立てかけられている。

その文字を見ただけで、

すでにクラスの半分以上が、顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。

肩を震わせて嗚咽する子。

ハンカチを握りしめて、声を殺して涙を流す子。

私は……

まだ、信じられない気持ちのままだった。

看板を見ても。

「葬儀」という文字を読んでも。

後ろを振り返ったら、いつもみたいに人懐っこい笑顔を浮かべた要くんが立っていて、

「騙されたっしょ! ドッキリでした〜〜!」

なんて、ふざけて言いそうな気がしてならなかった。

だって要くんは、そういう人だったから。