好きな男の子が幽霊になって会いに来た話。

分かりやすい反応なんて何ひとつ起きず。

人は、あまりにも衝撃的な事実を突きつけられると、

脳が処理するのに時間がかかるらしい。

……実感が湧かない。

というより、湧かせないようにしているのかもしれない。

涙は出ない。

胸が張り裂けるほど、苦しいわけでもない。

どうしてだろう。

大好きだったのに。

誰よりも、大切な人だったのに。

もう二度と……会えないのに。

それなのに、私は、こんなにも静かだった。

まるで、感情に蓋をしたみたいに。

触れたら壊れてしまう何かを、

無理やり見ないふりをしているみたいに。