好きな男の子が幽霊になって会いに来た話。

要くんは腕を組んで、うーん、と唸った。

「それがさー……分っかんねーんだよなぁ」

首を傾げて、困ったように笑う。

「未練あるのは確かっぽいんだけど、何が未練なのか自分でも謎」

……そんなこと、ある?

「てかさ」

ふいに、要くんが顔を近づけてくる。

反射的に優華は一歩、後ずさった。

「涼宮はなんで俺のこと見えてんの?」

「……え」

「霊感アリ的なやつ?」

そう言って、目をきらきらさせる。

状況が状況でなければ、「楽しそうだな」と思ってしまいそうな表情だった。

優華は、言葉を失って、視線を落とした。

……霊感。

今までの人生で、一度だって、幽霊を見たことなんてない。

肝試しに行っても、何も起こらなかったし、

心霊写真だって、全部「それっぽく見えるだけ」だと思ってきた。