好きな男の子が幽霊になって会いに来た話。

会場の中に入って、受付の人に香典を渡す。

ぎこちなく頭を下げて、前を向いた、その瞬間――

視界に飛び込んできたのは、明るい笑顔で、こちらに向かって元気よく

ピースしている、要くん。

……の、遺影だった。

黒縁の写真立てに収められたその写真に、

私は、はっきりと見覚えがあった。

あれは――

私が、撮った写真だ。

ある日のお昼休み。

私が、写真を撮るのにハマっているって話したときのこと。

「え、マジ? じゃーさ、俺のことも撮ってよ!」

そう、無邪気にせがまれた。

要くんはカメラの前で、いつもの笑顔でピースをして、

「俺、盛れてる〜?」

なんて言いながら、笑っていた。

あのとき要くんに送った写真が、こんな形で使われるなんて、

思いもしなかった。

遺影を見た瞬間。

それまで必死に堪えていた周りの子たちが、一斉に泣き崩れた。

「やだ……やだよ…要ぇ……」

「なんでだよ……!!」

誰かの泣き声が次の泣き声を呼び、会場は悲しみで満ちていく。