子を産めないと捨てられた私ですが、元夫の唯一の跡継ぎを授かりました〜裏切り者の親友が産んだ子は、別の男の娘のようです〜

「芽唯愛(めいあ)さん、島田家は代々、血筋を繋ぐことが最優先なの。子どもを産まない妻なんて、この家に置く意味がないわ」

義母・島田佳奈子の冷ややかな声が、重厚な応接間に響いた。
小学生の頃からの片思いを実らせ、大好きな島田蓮人と結婚して数年。幸せだったはずの日常は、芽唯愛が32歳を迎えた頃、完全に崩れ去った。

芽唯愛にはどうしても、子どもを産みたくない理由があった。だが、島田家という名門の重圧はそれを許さない。夫である蓮人も、恐ろしい母の威圧感と「跡継ぎ」という呪縛の前に、ただ俯くことしかできなかった。

追い打ちをかけたのは、佳奈子が強引に進めた蓮人の「再婚相手」だった。
現れたのは、かつて学生時代に芽唯愛が最も信頼していた親友——今宮菜摘。

「芽唯愛、ごめんね。でも私、蓮人さんを支えたいの」

そう言って微笑む菜摘の瞳の奥に潜む欲望を、芽唯愛は見逃さなかった。裏切りと絶望のなか、芽唯愛は一枚の離婚届を残して島田家を去った。