溺愛王子と秘密の同居

「……玲央」

「なに」

「もしかして、心配してくれてるの」

 思い切って聞くと、玲央がぴたりと黙った。

 やばい。
 変なこと聞いたかも。
 でももう遅い。

 玲央はしばらくわたしを見つめたあと、低い声でぽつりと言った。

「心配もするだろ」

「え……」

「おまえ、俺が秘密知ってる唯一の相手なんだぞ」

 その言葉に、心臓がどくんと大きく鳴る。

 唯一。
 その響きだけで、変に胸が熱くなった。

「それに」

 玲央の手が、わたしの頬にそっと伸びる。
 るいにキスされたほうの頬に、指先がかすかに触れた。

「ここに、他のやつの跡つけられて平気なわけない」

「っ……!」

 意味を理解した瞬間、頭の中が真っ白になる。

「れ、玲央、それって……」

「言わせんな」

 玲央の声は低いのに、どこか苦しそうだった。

「……昨日からずっと、おまえばっか気になってんのに」

「……え」

「るいに先越されるとか、最悪だろ」

 そんなの、反則だ。
 あまりにもまっすぐで、心臓が痛いくらい鳴ってしまう。

 わたしは何も言えなくなって、ただ玲央を見上げるしかなかった。

 玲央はそんなわたしを見て、少しだけ困ったように眉を寄せる。

「その顔、やめろ」

「ど、どんな顔……」

「無自覚にあおる顔」

「そんな顔してない!」

「してる」

 即答されてしまって、余計に混乱する。

 すると玲央は、頬に触れていた手をそのままわたしのあご先へすべらせた。
 びくっと身体が震える。