溺愛王子と秘密の同居

やっと午前の授業が終わって、お昼休みになった瞬間。
 わたしは思わず小さく息をついた。

「はあ……」

「夢咲くんって、ほんと表情わかりやすいね」

 隣の席の子にそう言われて、またぎくっとする。

「そ、そうかな」

「うん。でも可愛いから得してる」

「か、かわ……」

 もうそれ禁止にしてほしい。
 心臓がもたない。

 なんとか笑ってごまかしていると、教室の外がまたざわついた。

「え、また?」

「今度は誰?」

 その空気に、いやな予感がする。
 恐る恐る廊下を見ると、そこには予想通り、るいが立っていた。

「りんくん、一緒にごはん食べよ?」

「るい……!」

 ふわっとした笑顔。
 でも朝より少しだけ、甘えるみたいな空気が強い気がする。

「えー、夢咲くんって姫乃くんとも仲いいの?」

「すご……」

 教室の女子たちの視線が一気に集まる。
 いたたまれなくて立ち上がると、るいはうれしそうに目を細めた。