溺愛王子サマ達と秘密の同居

「るい!?」

 ふわっとした笑顔のまま、るいが教室のドアにもたれかかっている。
 その姿だけで、今度は女子たちのざわめきがさらに大きくなった。

「姫乃くんまで!?」

「え、なにこの空間、顔がいい……」

「夢咲くんすごすぎない?」

 すごいのはわたしじゃなくて状況なんですけど!

 るいはそんなまわりの反応なんて慣れっこみたいににこっと笑って、それからつかつかとわたしのところまで歩いてきた。

「りんくん、玲央くんばっかりずるい」

「えっ」

「俺にも構ってよ」

「へっ!?」

 な、なにそれ。
 意味がわからなくて固まっていると、るいは当然みたいにわたしの腕に自分の腕をからめた。

「る、るい!?」

「だって朝からずっと玲央くんがりんくん独り占めしてるんだもん」

「独り占めなんかしてねーよ」

 すぐに玲央の低い声が飛ぶ。
 るいは振り返って、にこにこと笑った。

「してるよ。教室まで迎えに来るなんて、めずらしいじゃん」

「別に」

「別に、で済ませる顔してないけど?」

 ぴたりと空気が張る。
 るいは笑ってる。笑ってるのに、なんだか少しだけ目が本気だ。

 玲央も、いつもの面倒くさそうな顔のままなのに、わたしの腕にからむるいの手をじっと見ている。

 え、なにこの空気。
 なんか変。
 すごく変。

「えっと……?」

 おろおろしていると、るいがわたしを見上げるようにのぞきこんできた。

「りんくん、今日は俺とまわろ?」

「ま、まわるって」

「学園案内。まだよくわかってないでしょ?」

 たしかにそうだけど。
 でも、るいの顔が近い。近すぎる。

「るい、近い」

 玲央がぴしゃりと言う。

「玲央くんこそ、朝から近いよね」

「俺はいいんだよ」

「なにそれ、ずるい」

 るいが少しだけ唇をとがらせる。
 その仕草は可愛いのに、なぜか胸の奥がざわっとした。