溺愛王子サマ達と秘密の同居

夕食が終わるころには、わたしの心臓はもう限界だった。

 玲央に口元のソースを取られて、るいにからかわれて、朔夜にじっと見られて。
 こんなの落ち着いて食べられるわけがない。

「ご、ごちそうさまでした!」

 ほとんど逃げるみたいに立ち上がると、るいが目をぱちぱちさせた。

「りんくん、もう行くの?」

「ちょっと部屋で落ち着きたくて……!」

「それ、すごくわかる」

 悠真が苦笑する。
 朔夜は何も言わなかったけど、ちらっとこっちを見た。

 わたしはぺこっと頭を下げて、そのまま食堂を出た。

 だめ。
 ほんとに無理。
 あの空間、顔がよすぎる人しかいないし、全員距離感がおかしいし、わたしひとりだけ秘密抱えてるし。

「はあ……」