小悪魔ちゃんには死神がお付きのようで

一刻も早く我が家へ帰るために、いつもは通らない旧校舎裏の裏道を早歩きで突き進む


その時だった


「ひゃあ……っ!?」


不意に、目の前の曲がり角から小さな人影が飛び出してきた。


「うわっ、危ない――!」


避ける間も無く、僕とその人影は正面衝突した


鈍い音がして、僕らは二人して地面に尻餅をつく


僕のリュックのチャックが衝撃で開き、中身が派手に地面へぶちまけられた


「痛たた……。あ、ごめん、大丈夫……?」


慌てて相手の顔を見る


そこにいたのは、同じクラスの乙原メロだった


ゆるくウェーブがかった髪に、くりくりとした大きな瞳

いつも男子たちをちょっと挑発するような言動で翻弄している、クラス一の『小悪魔』女子


「痛った〜……。何、水井くんかぁ。急に飛び出してきたら危ないやん」


メロは痛そうに頭を押さえながら、ふてくされたような大阪弁で言った