俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

「一ノ瀬の術後心筋はきわめて繊細だ。胸骨の固定部位に余計な負担がかからないよう、体位変換は胸骨圧迫回避ポジションを徹底しろ。それと、起立時の収縮期血圧の変動は15mmHg以内、自脈は85を超えた瞬間に即座に中止させろ。コンマ1単位でも指示数値を逸脱したら、貴様らのリスク管理能力を疑う」

​「っ…… は、はいっ! 厳格に数値を監視しながら介助いたします」

​圧倒的な凄圧に、小林も看護師の山下も額に冷や汗を浮かべ、深々と頭を下げた。

周囲を怯えさせる「氷の神の手」としての冷酷な威圧感そのものだった。

​「始めるぞ、一ノ瀬」

​小林が葵の側へ寄り添い、バイタルモニターの小型送信機をセットしながら優しく声をかける。

​「一ノ瀬さん、痛むところがあったらすぐに言ってくださいね。ゆっくりベッドの端に腰を下ろしましょう」

​「はい……よろしくお願いします」

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