俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

午前8時。

外来診療を控えた静寂の中、葵の病室に緊張感が走った。

術後早期離床(心臓リハビリテーション)の実施にあたり、担当の理学療法士と病棟看護師が準備を進めていた。

そこへ律が紺色のスクラブに白衣を羽織った足音もなく現れた。

​心臓血管外科の執刀医が、患者のリハビリの現場に直接足を運ぶことなど通常ではあり得ない。

理学療法士の小林は背筋を正し、固い声で報告を入れた。

​「御堂先生! 一ノ瀬さんの初回歩行訓練を開始いたします。本日はベッド端への端坐位と、可能であれば短時間の起立を試みます」

​「不要な前置きはいい」

​律は腕組みをしたまま、氷のように冷やかな黒の眸を小林に向けた。

刃物のような声が低く響く。

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