俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

葵はチューブ類が抜け、順調な回復を見せ始めていた。

だが、術後心不全の再発を防ぐための「厳格な水分制限(インアウト管理)」は、なおも続いていた。

​「御堂先生! 一ノ瀬さんの今朝の蓄尿量と、点滴・食事水分の計算シートです」

律は看護師が提出した記録用紙に、鋭い眼光を走らせた。

​「……出納バランスの計算に誤差がある。排尿量が目標値より20ミリリットル下回っている。それを見落とすとはどういうことだ?」

​「あ……すみません、今朝の点滴速度は指示通りで……」

​「問題は点滴速度ではない。昨夜の室温設定と発汗量による不感蒸泄の考慮が漏れている。これ以上の利尿剤増量は術後の腎負荷を招く。室温を0.5度下げ、輸液量をミリリットル単位で再調整しろ。……次にこのような初歩的な確認ミスをしたら、担当から外す」

​「っ……! 直ちに再計算いたします!」