俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

律は微かに眉根を寄せると、葵の手を握りしめた。

逃げ場を塞ぐように見つめ返した。

​「病院の病床都合など知ったことか。特発性心筋症の術後という非常に繊細な時期に、お前を無用なリスクに晒す気はない」

​「律先生……」

​「お前は俺の患者だ。俺が救った命だ。……この部屋で、俺の目の届く場所で、ただ主治医である俺の治療方針だけを信じて心機能の回復に専念していればいい」

​律は冷徹な主治医の仮面の下にある、1人の男としての強い独占欲と過保護さを隠そうともしない。

葵は握られた手から伝わる確かな熱に、「はい……律先生」と優しく頷いた。