俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

術後数日。

葵の胸から伸びていた心胸腔ドレーン(心包腔や胸腔内に溜まる浸出液や血液を排出するチューブ)の排液量が、ようやく抜去基準である規定値を下回る時期を迎えた。

ナースステーションで電子カルテの経過記録をチェックしていた律のもとへ、担当看護師が確認に歩み寄る。

​「御堂先生、一ノ瀬さんのドレーン排液量が安定し、性状も淡黄色・漿液性となりましたので、本日ドレーン抜去を行います。あわせて経過が順調ですので、病床稼働率と保険診療の観点から一般病棟への転床手続きを進めますが……」

「転床は認めない」

​律はキーボードを叩く手を止めることなく、氷のように冷たい声で切り捨てた。

​「えっ……?  ですが、病院の病床運用規定では、ICU離脱後および経過観察が良好な患者様は順次一般病棟へ移動していただくことになっておりまして……」

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