俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

周囲から冷徹な『氷の神の手』と恐れられた外科医の姿は、そこにはなかった。

律は葵の術後経過を片時も見逃すことなく、監視し見守っている。

そしてバイタルから栄養管理まで完璧にコントロールしようとする、

甘く不器用な主治医だった。

​そんな2人きりの病室の扉が、コンコンと静かにノックされた。

​「御堂先生、失礼いたします。夕方のバイタルサイン測定と、心胸腔ドレーンの排液量確認に参りました」

​担当看護師の山下が入ってきた。

​山下はベッドサイドでお粥を食べさせている律の姿を目にした。

山下は一瞬驚きに目を見開いたが、すぐにプロとして表情を引き締め、電子カルテ端末を構えた。

​だが、律が山下へ向けた視線は別物だった。

さっきまで葵を見つめていた温かさは消え、完璧に凍りつくような鋭さを帯びている。

​「山下」

​「は、はい!」

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