俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

手術の成功から数日後。

葵は集中治療室(ICU)での厳格な全身管理を経て、特別病棟の個室へと転病床することができた。

​葵の経過は、開胸手術という大きな侵襲を乗り越え、奇跡的に良好だった。

けれど長年の闘病と手術侵襲により、葵の体力は著しく低下していた。

​「……口を開けろ」

​律はベッドサイドの丸椅子に腰掛けた。

手に持ったスプーンで5分粥をすくうと、葵の口元へと静かに差し出す。

​「えっ……!? あ、あの、律先生……自分で食べられます……っ」

​「いいから開けろ。主治医の指示に従えないのか?」

​「でも……スプーンを持つくらいなら、私でも……」

​「術後早期の段階で無理に上肢を動かせば、正中切開した胸骨の固定部位に負担がかかる。それに、1口あたりの摂取量と嚥下のペースを計算しているのは俺だ。誤嚥やむせ込みで胸腔内圧が上昇するリスクを避けるためでもある」

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