俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

その中で律は静かに持針器をトレイへ戻した。

​律はガーゼで手元の微小な血液を拭い、手袋をゆっくりと外す。

冷徹な主治医としての仮面の下で、律の胸には1人の男としての激しい安堵が込み上げていた。

言葉にならない熱い情熱が込み上げていた。


​「閉胸の準備に入る。後処理は第1助手に任せる」


​「はい! 御堂先生、ありがとうございました!」


​「……よく耐えたな、葵」

​律はマスクの下で、誰にも聞こえない低い掠れ声でそう呟いた。

そして律は1度だけ葵の顔に視線を落とすと、静かな足取りで第1手術室をあとにした。