俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

律は拡大鏡越しに細い冠動脈の切開部と病変組織を冷徹に見据えている。

​「大伏在静脈グラフトを出せ。……7.0プロリン」
​「はい、7.0プロリン」

​律は看護師から受け取った持針器を握り直した。そして律は血管吻合を開始する。

​律は髪の毛よりも細い極細糸で、脆くなった血管壁とグラフトを手際よく縫い合わせていった。

針を刺す角度や、糸を引くテンションの微小な加減。

1000例を超える経験と圧倒的な技術がそれを完璧に制御していた。

​だが、極限まで消耗していた葵の心筋が悲鳴を上げ始めた。

持続する虚血と侵襲に耐えきれなくなったのだ。

​ピーーー、ピーーー——

​モニターの血圧波形が急降下した。

心筋保護液を追加投与したにもかかわらず、心室細動(VF)の波形が走る。

​「平均血圧低下! 冠血流の再灌流と心筋保護が必要です!」

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