俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

葵は律の救いであり、律の全てだった。

​律は静かに腰掛けた。

そして律は、葵の冷たくなった手を握りしめる。

​「……葵」

誰もいない空間で、律は1人の男として乞うように葵の頬に触れた。

​「俺に全てを預けろ。お前の命も、未来も、俺が必ず引き受ける」

​律は握りしめた葵の手の甲に、誓うように強く唇を押し当てる。

​「この手術を乗り越えたら……2度と俺の側から離さない。覚悟しておけ」

​律の指先に、葵のかすかな脈動が伝わる。

律は立ち上がると、第一手術室の扉を開けた。

​神の手と恐れられた己の技術の全てを賭けて、律はこの女を死の淵から引きずり戻す——。
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