俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

静まり返るICUに、律の低く冷徹な声が響いた。

感情を露わにした律の言葉は、ナイフとなって幹部たちの喉元に突き刺さった。

「俺のキャリアなど、葵の命に比べればただの紙屑だ」

​「な……っ!?」

​律は息を飲んだ幹部たちを一蹴した。そして律は冷たく言い放った。

​「俺の手で救えなければ、俺が医者でいる意味などない。……これ以上の雑音は斬る。直ちにオペチームを招集しろ。全責任は俺が取る」

​圧倒的な覇気と拒絶がそこにはあった。

幹部たちの誰も、それ以上言葉を挟むことはできなかった。

​準備が整うまでのわずかな時間、律は術衣(スクラブ)に身を包んだ。

そして律は、葵のベッドサイドへ歩み寄る。

​葵は無数のモニターと人工呼吸器に繋がれ、蒼白な顔で眠っていた。

​葵は5年前、雨の中で律の手を握った。

そして律の手を「あたたかい手」と言って笑った少女だった。