俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

​「アミオダロン投与! 150ジュールで再度チャージだ!」

​激しい警報音がICUに鳴り響く。

律は命じる自分の声が、わずかに震えているのを自覚していた。

​律はどんな難手術も、1度として平常心を失ったことがない。

その律の手が、今は汗ばんでいる。

​ドンと葵の胸が跳ね上がった。

モニターの波形が一瞬平坦になる。

その後、波形は不規則で弱い心音を拾い始めた。


​自脈は戻った。

だが波形は極めて危うい。

葵の体は、心不全とショック状態の二重苦に陥っていた。

​「……持ちこたえたか」

​律は肩で息をついた。

律の背後で、ICUに駆けつけてきた幹部医師たちが悲鳴のような声を上げた。

「御堂先生、正気ですか!?  この状態で今夜緊急開胸するなど無謀すぎます」

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