俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

葵が律との過去の出会いと、律の胸の奥にあった執着を知った夜から、数日が過ぎた。

​葵の心は「律先生の手を信じて生きたい」という強い希望で満たされていた。

だが、容赦なく刻まれる時間とともに、葵の不調な心臓は限界を迎えつつあった。

​手術をわずか3日後に控えた、雨の日の夕方だった。

​葵は窓の外を打つ雨音を静かに聞いていた。

そのとき、葵の胸を突如として経験したことのない激痛が襲った。

心臓が内側から引きちぎられるような、凄絶な衝撃だ。

​「っ……、あ……!」

​葵の呼吸が途絶えた。視界は途端に明暗を失っていく。

​ベッドの脇で、警報音が甲高く鳴り響いた。

​ピーーーーーーーーーー

​「一ノ瀬さん!  一ノ瀬さん!」

​「大変、急変です! 心室細動(VF)発生!  急いで御堂先生をお呼びして!」

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