俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

葵はそれ以上何も言わず、ただ静かに律を見つめた。

葵は言葉に出して確かめるような真似はしない。

律がどれほど不愛想な言葉を並べようと、深く理解していたからだ。

この差し出された手と、集中に満ちた静かな眼光の中に、自分への絶対的な保護欲が宿っていることを。

​律は葵の静かな視線に気づいた。


すると微かに不機嫌そうに切れ長の眸を逸らし、低く短く息を吐く。

​「……何を見ている。余計な体力を遣わずに大人しく横になれ」

​「ふふ……はい、先生」

​葵が小さく微笑むと、律は耳の尖りをかすかに赤く染めた。

そして手際よく用具を整え、背を向けた。

​律は冷酷なまでに完璧な医師だ。

けれど葵にだけは、不器用で激しく、圧倒的な1手を差し出してくれる。

葵はその温かさを胸の奥で静かに抱きしめた。

2人の間には、言葉を超えた特別な絆が刻まれていく——。