俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

​そして、手術まであと1週間になった夜のことだった。

​消灯時間を過ぎた夜22時、静まり返った特別病棟の個室に、律が姿を見せた。

律は白衣の前ボタンを開け、中に着た濃紺のスクラブを覗かせていた。

昼間の隙のない医師の顔から一変し、律は1人の男としての危険な色気を漂わせている。

​「……先生? こんな夜遅くに……」

​「お前が俺の顔を見たくて寂しがっていると思ってな。来てやったんだ、感謝しろ」

​律は開口1番、圧倒的な俺様発言を口にした。

葵は律の相変わらずの不遜さに、呆気にとられていた。

律はフッと口元を緩め、迷いのない足取りでベッド脇へ腰掛けた。

​「嘘です。先生がお忙しいのは分かっていますし……」

​「口だけは達者だな」

​律は無駄のない手つきでポケットから聴診器を取り出すと、葵の病衣のボタンを迷いなく上から2つ外した。