俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

​それからの数日間。

葵の生活は、御堂律という「冷徹な支配者」によって完璧にコントロールされた。

「体温36.4 血圧110の70。……まだ食欲が戻っていないな。栄養科に指示を出す」

​律は朝、昼、晩と、他の患者の回診が終わった後に必ず葵の病室へ現れた。

周囲の看護師たちは、「御堂先生は一ノ瀬さんの症例管理にどれだけ執念を燃やしているのか」と噂した。

律の『実験サンプル』に対する執着に恐れを抱いていた。

​けれど、葵だけは彼の真意を知っていた。

​「一ノ瀬葵。……この本、お前のベッドサイドにあったが……」

​律は不機嫌そうに言いながら、葵のサイドテーブルに見慣れない文庫本を置いた。

それは、葵がずっと気になっていた発売されたばかりの話題の小説だった。

​「……これ、私が読みたかった本です」

​「俺は、廊下でお前の担当看護師たちが話しているのを聞いただけだ。俺の担当患者が暇を持て余して脳機能を低下させるのは困る。……ありがたく思え」