俺様で冷徹なハイスペック医師は ツンデレで不器用で激甘な素顔を隠せない

「くだらない」

​律は葵の言葉を遮り、そっと毛布を引き上げて肩まで掛け直した。

その手つきは、先ほど幹部たちを叩きのめした時とはまるで別人のように繊細で、優しかった。

​「あんな無能どもの戯言など、お前が気にする価値もない」

​「でも……!  万が一、私を手術してうまくいかなかったら、先生のキャリアが……」

​「葵」

​葵は低い声で名前を呼ばれ、言葉を詰まらせた。

律はベッド脇に腰掛けると、葵の顎を長い指でスッと持ち上げた。

逃げ場を塞ぐような、強引で甘い拘束。

​まっすぐに見つめ返してくる律の瞳には、迷いも揺らぎも一切存在しなかった。

​「お前が気にするような雑音など、この病院には存在しない」

​「律先生……」

​「お前は余計なことを一切考えるな。俺の指示に従い、俺の手を信じて、生きることだけを考えていればいい」

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