神僧物語

『不老』は人間の究極の夢?

とんでもない、永遠の孤独だ。

愛する人とともに老い、旅立つことが叶わない。

だから、私を好いてくれた方の『命の時間』を、私に浪費させるわけにはいかない…。

永逢(とわ)
「兄さま…姉さま…叔母さま…どうして私だけ…生き長らえなければいけないのですか…?」

限りある命で、燃えるような恋をしてみたかった。

短い命を惜しみながら、今を精一杯生きてみたかった。

なぜ私だけ…その『儚さ』を奪われなければいけなかったんだろう…?

代わりに、姫君から向けられるのは、恐れと忌避の目。

殿方から向けられるのは、激しい欲望と愛情。



すべてに耐えられなくなった私は、ある雨の夜に都を飛び出した。

皇族から降りたい一心で「宇佐見(うさみ)」という苗字を名乗ることにした。

永逢(とわ)
「望み薄でもいい…国中を旅すれば、いずれ僧侶の関係者に逢えるかもしれない。」

私は雨音にまぎれ、僧侶たちの本拠地を目指して歩き出した。