最強ヴァンパイアに溺愛されています!

ふいに、ルカが一歩だけ近づいた。

つないだ手が少し引かれて、自然と距離が縮まる。
昼の踊り場よりも、夕暮れの裏道よりも、今がいちばん近い気がした。

「美月」

名前を呼ばれる。
それだけで胸が跳ねる。

「はい……」

「もう無理だ」

低い声が、静かな夜のはじまりに溶ける。

「隠したまま、今までみたいにはいられない」

何を言われるのか分かりそうで分からなくて、心臓が痛いくらい鳴る。

ルカはまっすぐ美月だけを見ていた。
逃がさないくらい真剣な目で。
でもその奥に、少しだけ不安も混ざっている気がした。

「好きだ」

世界が一瞬、止まった気がした。

風の音も、遠くの車の音も、全部遠くなる。
その言葉だけが、まっすぐ胸の奥に落ちてくる。

「お前が思ってるより、ずっと好き」

ルカの声は静かだった。
でも、そのぶんひとつひとつが重くて甘い。

「朝も昼も放課後も、ずっとお前のこと考えてる」

つないだ手に、少しだけ力がこもる。

「他のやつに向ける顔見て嫉妬して、少し笑っただけで安心して、手離したくなくて」

そこでルカは一度だけ息をついた。

「こんなの、もう誤魔化せない」

胸の奥がじんじん熱い。
嬉しくて、泣きそうで、でもうまく声が出ない。

「だから言う」

ルカの視線が、逃げ場のないくらいまっすぐ落ちてくる。

「俺と付き合え」