最強ヴァンパイアに溺愛されています!

予鈴のあと、本鈴が鳴り、みんながしぶしぶ席に着く。
けれど空気はまだ少しざわついたままだった。

先生が来る直前、後ろの席から夜斗が小声で言う。

「転校生ちゃん、あとでちゃんと話してよ」

前の席からは奏多が振り向く。

「俺も気になります」

隣では玲がさらりと微笑む。

「無理にとは言わないよ。でも、少しだけ寂しいかな」

そして少し離れたところで、冬真が静かにこちらを見る。
何も言わないその目にまで、気遣いがにじんでいた。

みんな優しい。
でも、今いちばん胸をかき乱すのは、その全部を押しのけるみたいに特別扱いしてくるルカだった。

教室のいちばん後ろの席に戻っていく背中を目で追ってしまう。
するとルカは、自分の席に着く直前でふと振り返った。

そして、誰にも分からないくらい小さく口元をゆるめる。

その視線はまっすぐ美月だけに向けられていた。

まるで言葉にしなくても伝えてくる。
お前は俺のものみたいに特別だ
そんな独占の熱が、静かに、でも甘く胸に残っていく。

授業が始まるのに。
もう普通の顔なんてできない。
昼休みの秘密も、ルカの余裕も、全部が甘すぎて困る。