最強ヴァンパイアに溺愛されています!

ガラリと扉が開いた瞬間、教室の空気がぴたりと止まる。

昼休みの終わりのざわめきの中、ルカと一緒に入ってきた美月へ、一斉に視線が集まった。

しかも、まだ手をつないだまま。

「……え」

最初に固まったのは如月奏多だった。
次いで、天城夜斗が目を丸くし、一ノ瀬玲の笑みがほんの少しだけ止まる。
神楽冬真も、わずかに眉を動かした。

「おかえり、美月先輩」

奏多が立ち上がる。
けれどその声は、いつもの明るさより少しだけ低い。

「……どこ行ってたんですか」

「えっと……」

答えに詰まった瞬間、ルカが美月の前に半歩出る。

「俺といた」

あまりにもそのまますぎる返答に、教室がざわつく。

「それは見れば分かりますけど」

奏多がむっと唇を尖らせる。

「なんでそんな、いかにも特別みたいな感じなんですか」

「特別だからだろ」

即答だった。

あまりにも迷いのない言い方に、美月の心臓がどくんと跳ねる。
周りまでしんとした気がした。

「へえ」

夜斗が先に我に返って、にやりと笑う。

「九条、隠す気ゼロじゃん」

「隠す理由がない」

「それ、美月ちゃんが照れてるけど」

その言葉に、美月はますます真っ赤になる。

「て、照れてないもん……」

「いや、照れてるだろ」

夜斗が楽しそうに笑う。
けれどその目は、美月の様子をしっかり見ていた。