最強ヴァンパイアに溺愛されています!

昼休みの終わりを告げる予鈴が、校舎のどこかで静かに鳴っていた。

白雪美月は、ルカに手を引かれたまま教室へ向かう廊下を歩いていた。
もうふらついてはいない。
でもさっきの吸血の余韻がまだ残っていて、心臓は落ち着かないままだ。

首元が熱い。
唇を触れられた感触も、抱き寄せられた腕の強さも、全部まだ消えてくれない。

「ルカくん……もう手、だいじょうぶ」

小さくそう言うと、ルカは前を向いたまま短く返した。

「だめだ」

「えっ」

「またふらついたら困る」

ぶっきらぼうなのに、声がやさしい。
しかも指先は、さっきより少しだけしっかり絡められている。

「でも、教室までこのままは……」

「嫌か」

その問いに、美月はすぐ答えられなくなる。
嫌じゃない。
むしろ安心する。
けれど人に見られるのが恥ずかしいだけだ。

黙ってしまった美月を見て、ルカが少しだけ目を細める。

「なら、このまま」

結局、言い返せないまま教室の前まで来てしまった。