最強ヴァンパイアに溺愛されています!

「行くぞ」

ルカはそう言って、美月の通学かばんを自然に受け取った。
まるで当然みたいな動きに、美月は目を丸くする。

「え、持てるよ」

「知ってる。でも持つ」

言い切られてしまって、美月はそれ以上言えなくなる。
隣を歩き始めると、ルカは歩幅をちゃんと美月に合わせてくれた。

朝の通学路には同じ制服の生徒もいる。
すれ違うたびに、ちらちらと視線を向けられているのが分かった。

それもそのはずだ。
学園の中でも有名な九条ルカが、女の子のかばんを持って並んで歩いているのだから。

「み、見られてるね……」

小声で言うと、ルカはあっさり答える。

「見せてる」

「えっ」

「お前が俺といるって、分かるように」

心臓がどくんと大きく鳴る。

「る、ルカくん、それって……」

「牽制」

さらりと言われて、美月はもう何も言えなくなる。
朝から独占欲が強すぎる。

少しして、大きな交差点に差しかかった。
信号が変わると同時に人の流れができ、美月が一歩踏み出しかけた、その時。