昼休みのざわめきが嘘みたいに、放課後の教室は静かだった。
帰る支度をしていた白雪美月は、窓の外がほんのり茜色に染まっているのをぼんやり見つめる。
あっという間の一日だった。
転校してきたばかりなのに、もう何日分もどきどきした気がする。
「美月先輩、一緒に帰りません?」
机の横からひょこっと顔を出したのは如月奏多だった。
相変わらず距離が近くて、にこにこと人懐っこい。
「え、あ……」
「校門まででもいいですし、そのあと寄り道とか」
奏多がそう言いかけた時、教室の扉が開く。
ひやりと空気が変わった。
「悪いけど」
低く落ちた声に、教室の中にいた何人かがはっと顔を上げる。
扉の前に立っていたのは九条ルカだった。
夕暮れの光を背にしたその姿は、昼間よりずっと危うくて、きれいで、目が離せない。
「こいつは俺が連れてく」
「またそれですか」
奏多がむうっと頬をふくらませる。
けれどルカは気にも留めないまま、まっすぐ美月のところまで来た。
「帰るぞ」
短いその言葉に、美月の心臓がどくんと跳ねる。
「え、でも……」
「昨日の続き、知りたいんだろ」
耳元近くでそう囁かれて、美月は一気に真っ赤になった。
昼休みに言われたその言葉を、ずっと気にしてしまっていたからだ。
帰る支度をしていた白雪美月は、窓の外がほんのり茜色に染まっているのをぼんやり見つめる。
あっという間の一日だった。
転校してきたばかりなのに、もう何日分もどきどきした気がする。
「美月先輩、一緒に帰りません?」
机の横からひょこっと顔を出したのは如月奏多だった。
相変わらず距離が近くて、にこにこと人懐っこい。
「え、あ……」
「校門まででもいいですし、そのあと寄り道とか」
奏多がそう言いかけた時、教室の扉が開く。
ひやりと空気が変わった。
「悪いけど」
低く落ちた声に、教室の中にいた何人かがはっと顔を上げる。
扉の前に立っていたのは九条ルカだった。
夕暮れの光を背にしたその姿は、昼間よりずっと危うくて、きれいで、目が離せない。
「こいつは俺が連れてく」
「またそれですか」
奏多がむうっと頬をふくらませる。
けれどルカは気にも留めないまま、まっすぐ美月のところまで来た。
「帰るぞ」
短いその言葉に、美月の心臓がどくんと跳ねる。
「え、でも……」
「昨日の続き、知りたいんだろ」
耳元近くでそう囁かれて、美月は一気に真っ赤になった。
昼休みに言われたその言葉を、ずっと気にしてしまっていたからだ。



