元カレ弁護士の恋事情

 思わず声が大きくなる。
 このデザインを作るために何度も悩んだ。
 チームのみんなと商品のコンセプトを考えて、試行錯誤して、何度も修正を重ねた。
 それを、最初から誰かのものを真似したように言われるなんて。
 たしかに、ここに載っている画像は、競合会社であるカネモトフーズの商品パッケージと私がデザインしたパッケージが並べられ、酷似しているようにも見える。
 同じ食品ジャンルで、似た雰囲気の商品。
 第三者から見れば、そう思われても仕方がない部分があるのかもしれない。
 震える手で紙を握り潰しそうになった。
 
「数年前の商品ですが、まだ店頭で販売はしています。その時に見かけたのでは?」

 課長が、フォローするように言ってくれた。
 
「それは……。見かけたかもしれませんが、でも盗作なんて……!」
 
 オマージュで無意識に作ってしまう例はある。
 過去の記憶が、知らないうちに作品に影響することだってある。
 だけど、私はこのデザインを誰かの商品を参考にして作ったわけではない。
 
「我が社としても騒ぎが大きくなる前に対処したい」

 社長の言葉に、胸が締め付けられる。
 ああ……これは、かなり不利かもしれない。
 私がどれだけ訴えても、相手の方が先に商品を出しているのだ。
 それに会社の名前が出ている以上、私個人の問題では済まされない。
 発売前なのに、SNSで炎上……なんて未来が想像できてしまう。