元カレ弁護士の恋事情

 食事を終えると、私たちはもう少し水族館を見て回り、最後にショップを覗いた。

「これ、可愛いですね」

 弾む気持ちでイルカのぬいぐるみを手に取ると、久我さんが隣から覗き込む。

「欲しいのか?」
「えっ。いや、見てるだけです」
 慌てて手を振って、棚に戻す。催促してると思われちゃったかな……?
 久我さんは、私が手にしていたぬいぐるみをじっと見ている。
「本当に大丈夫ですからね」
「何も言ってないけど」
 クスッと笑う久我さんに、私もつられて笑った。
「でも、記念に何か買わないか?」
「なんの記念ですか?」

 再会記念は、この間バーで乾杯したし……。
 何か形に残るものを、ということなのかな?

「そうだなぁ……。〝大人になって初めてデートした記念〟とか?」
「そ、そ、それは……」
「……嫌?」
「……嫌じゃないです……けど」

 その言い方はズルいです……!!
 私たちは、日常でも使えるものをということで、お揃いのボールペンを買うことにした。
 ノックする部分がカメの形になっていて、丸みがあって可愛い。

「ここは払うよ」
「ダメです。今日は私が払うんですから」