「みんな、こちら弁護士の久我先生で……今回の件を担当してくれています」
「顧問弁護士の、久我と申します」
久我さんが丁寧に頭を下げると、同僚たちの間から、またざわざわと声が上がった。
「あ、あの! 盗作なんて嘘ですよね!? 言いがかりですよね!?」
同僚の中でも、私と一番仲のいい川田さんが勢いよく訊ねる。
「大丈夫です。それを証明するために来ましたので。ただ、しばらくこちらにお邪魔することになりますが……」
久我さんがふっと微笑むと、女子社員たちが目を輝かせて久我さんを促した。
「どうぞどうぞ!」
「こちらにお座りください!」
と、お客様スペースに案内し出す同僚たち。いつの間に淹れたのか、すぐに温かいお茶も出てきた。久我さんも、そんな対応に慣れているのかスマートに来客用のソファに座る。
「ありがとうございます。あと、仕事に差し支えない程度に、大谷さんのことを皆さんからお聞きしたいのですが……」
「よろこんで答えます!」
川田さんが、鼻息荒く答えた。
私のことって、何を聞くの!? 元カレに今の私のことを話されるなんて、なんだか恥ずかしい……。
久我さんは今日一日かけて、同僚たちから一人ずつ何か話を聞いていた。私の席からは何も聞こえない。誰かが呼ばれるたびに手が止まってしまい、気になって今日は仕事にならなかった。
そして結局、私は久我さんに謝るタイミングを完全に逃してしまったのだった。
「顧問弁護士の、久我と申します」
久我さんが丁寧に頭を下げると、同僚たちの間から、またざわざわと声が上がった。
「あ、あの! 盗作なんて嘘ですよね!? 言いがかりですよね!?」
同僚の中でも、私と一番仲のいい川田さんが勢いよく訊ねる。
「大丈夫です。それを証明するために来ましたので。ただ、しばらくこちらにお邪魔することになりますが……」
久我さんがふっと微笑むと、女子社員たちが目を輝かせて久我さんを促した。
「どうぞどうぞ!」
「こちらにお座りください!」
と、お客様スペースに案内し出す同僚たち。いつの間に淹れたのか、すぐに温かいお茶も出てきた。久我さんも、そんな対応に慣れているのかスマートに来客用のソファに座る。
「ありがとうございます。あと、仕事に差し支えない程度に、大谷さんのことを皆さんからお聞きしたいのですが……」
「よろこんで答えます!」
川田さんが、鼻息荒く答えた。
私のことって、何を聞くの!? 元カレに今の私のことを話されるなんて、なんだか恥ずかしい……。
久我さんは今日一日かけて、同僚たちから一人ずつ何か話を聞いていた。私の席からは何も聞こえない。誰かが呼ばれるたびに手が止まってしまい、気になって今日は仕事にならなかった。
そして結局、私は久我さんに謝るタイミングを完全に逃してしまったのだった。



