しばらくして、黒塗りの車がやってきて店の前に止まった。
後部座席のドアが開く。俺は映美の身体を支えながら、車内へと乗り込んだ。
「どうされました、誠治さん」
運転席にいるのは、秘書の犬飼だ。俺の右腕として働いてくれている有能な男だが、半分は監視役でもあった。親父の意向で、俺の行動を報告する役目も担っている。
「実家まで送りたい。行けるか」
「それは、かまいませんが……」
犬飼はバックミラー越しに、ちらりと映美の方へ視線を向けた。
「なんだ?」
「いえ……。かなりお時間がかかりますが、よろしいのですか?」
どうやら、わざわざ実家まで送ることが気になっているらしい。
「かまわない。行ってくれ」
俺がそう告げると、犬飼はそれ以上何も言わず、車を発進させた。
映美は、俺の肩に頭を預けて眠っている。少し乱れた髪を、優しく整えた。
昔はこうして髪に触れるだけでも、恥ずかしがって真っ赤になっていたな……。
そんなことを思い出しながら、映美の手を握り、俺も道中ほんの少しだけ眠った。
後部座席のドアが開く。俺は映美の身体を支えながら、車内へと乗り込んだ。
「どうされました、誠治さん」
運転席にいるのは、秘書の犬飼だ。俺の右腕として働いてくれている有能な男だが、半分は監視役でもあった。親父の意向で、俺の行動を報告する役目も担っている。
「実家まで送りたい。行けるか」
「それは、かまいませんが……」
犬飼はバックミラー越しに、ちらりと映美の方へ視線を向けた。
「なんだ?」
「いえ……。かなりお時間がかかりますが、よろしいのですか?」
どうやら、わざわざ実家まで送ることが気になっているらしい。
「かまわない。行ってくれ」
俺がそう告げると、犬飼はそれ以上何も言わず、車を発進させた。
映美は、俺の肩に頭を預けて眠っている。少し乱れた髪を、優しく整えた。
昔はこうして髪に触れるだけでも、恥ずかしがって真っ赤になっていたな……。
そんなことを思い出しながら、映美の手を握り、俺も道中ほんの少しだけ眠った。



