「……まいったな……」
映美は、すっかり眠ってしまっている。
さっきまであれだけ喋っていたのに、嘘みたいに静かだ。
俺の肩に頭を預けて、規則正しい寝息を立てている。
こんな無防備な姿を見せてくれるなんて。
あれから、十二年も経っているのか……。
高校生だった俺たちも、今ではもういい大人だ。
一緒に酒を飲むのだって、今日が初めてだった。
こんな風に肩を並べて話すことも久しぶりだったが、普通に話せている。
昔なら、もっと簡単に触れられた。
手を繋ぐことも、肩を抱くことも、当たり前だった。
けれど今は違う。おそらく映美は──。
自分の中で想像して、寂しさが募る。
「…………」



